点描
2025/04/29
アートから感じる9条と24条
日本国憲法展 立川市で開催
 「憲法とアート」をテーマにした「日本国憲法展 feat.黒木コレクション」が東京都立川市錦町4の旧司法書士事務所で開催中だ。
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「日本国憲法」の書籍を手にする黒木健一さん。
会場では自身のコレクション(計9点)を展示する
=東京都立川市で
 アートコレクターの黒木健一さん(56)=会社役員=が、自身のコレクションの中から、憲法9条と24条に親和性を感じた立体作品や写真、映像など9作品を選んで紹介している。床の上に大量の1円玉が無造作に積まれたオブジェは、現代美術家の橋本聡さんの作品だ。現在のアルミ硬貨の1円玉が誕生した1955年にベトナム戦争が始まった。黒木さんは、「戦場で命を失った兵士たちの墓標を、イメージした」そうだ。

 チューインガムのそばに、きちんと折りたたんだものと、くしゃくしゃにした2通りの包み紙。沖縄出身のアーティスト、ミヤギフトシさんの写真アートだ。
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ミヤギフトシさんの作品
 「性的マイノリティー(少数者)のミヤギさんは、自身のセクシュアリティーと沖縄の社会的、政治的な問題を、作品を通じて表現している」と黒木さんは説明。「この作品にあるくしゃくしゃの包み紙は、父との距離感を表したのではないか」という。
 9条は戦争の放棄を掲げる。24条は、「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立する」などと定める。
 日本国憲法展は、2019年刊行の「日本国憲法」(TAC出版)から着想を得たもので、今回で3回目。同書は、グラフィックデザイナーの松本弦人さんが編集とデザインを担当し、憲法の条文に照らし合わせながら選んだ美術作品を収録。小学館の編集者だった島本脩二さんが担当した「日本国憲法」(82年刊)がヒントになった。
 5月5日まで。4月30日~5月2日は休館。詳細は日本国憲法展のホームページ
(M・M)
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