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2021/10/28
自民党が巻き返し? 各紙が終盤情勢
総選挙で各メディアが、序盤、中盤、終盤と、情勢を分析するのは、いつものことだが、今回は、短期間の選挙戦で、あまりキチンとは揃っていない。しかし、大雑把な状況でみると、当初、「不利」とされた自・公が巻き返し(?)ているかような情勢が見て取れる。
序盤情勢を報じた21日付の見出しは、毎日「自民議席減の公算大、63選挙区で接戦、与党過半数は確保」、読売は「自民減、単独過半数の攻防 立民、議席上積み 維新、躍進の公算大」だったが、26日付朝日は「自民過半数確保の勢い、公示前は下回る可能性 立憲ほぼ横ばい」、同日付産経は「自民単独過半数へ攻防 立民140議席うかがう 野党一本化の接戦区47焦点 維新は30議席獲得も」―。
共同は27日朝刊用に終盤情勢を配信したが、「自公絶対安定多数視野」「立憲伸び悩む 小選挙区で『投票先未定』4割なお流動的」(毎日、東京)の見出しがとられている。
「情勢調査」が、有権者の投票行動に影響する可能性は常に論じられている。一般に「アナウンスメント効果」と言われるもので、「当選確実」「有力」などと肯定的に書かれると、それで勢いがついて「勝ち馬に乗る」人が増えるのを「バンドワゴン効果」、逆に、「危ない」「難しい」と否定的に書かれると、「判官贔屓」の意識が働き、実際の投票では有利に働くのを「アンダードッグ効果」などという。
複数の候補が当選する仕組みだった中選挙区制度の時代は、「『当落線上』とか『最後の議席を争う』などと書かれると有利になる」と言われ、逆に「『トップの勢い』『安泰』などと書かれると不利になる」とも言われた。当時は、同じ党から複数の候補が出ていたから、「情勢を見て判断し、支持政党で、弱い方の候補に入れる」という人たちも少なくなかった。
小選挙区制になったいま、統一候補ができて、事実上1対1の選挙になり、浮動票といわれた人たちも「二者択一」で選択するとすれば、「どちらは当選するか」より、「どちらの候補を支持するか」になり、以前より、報道の「アナウンスメント効果」は薄れているかもしれない。また、「比例代表」は、政党の選択。候補の当落とは違って、自分が最も信頼できる政党、自分の考えを代表してくれる政党、伸びてほしい政党の選択になる。
どこもいまいち…だったらどうするか? 「お試し」でも、「2番手、3番手」でも、投票することによって、発言が可能になる。まず投票することから、始めよう。
(了)
2021/10/27
こんな政策を継続していいのか? 法律家6団体が自民党政策批判
自民党が発表している選挙公約「自民党政策バンク」について、法律家6団体が「検証」文書を発表した。
自民党の公約は、大別すると、①感染症から命と暮らしを守る。②『新しい資本主義』で分厚い中間層を再構築する。『全世代の安心感』が日本の活力に。③国の基『農林水産業』を守り、成長産業に。④日本列島の隅々まで、活発な経済活動が行き渡る国へ。⑤経済安全保障を強化する。⑥『毅然とした日本外交の展開』と『国防力』の強化で、日本を守る。⑦『教育』は国家の基本。人材力の強化、安全で安心な国、健康で豊かな地域社会を目指す。⑧日本国憲法の改正を目指す―の8項目。6団体はこれについて、主たる問題を「検証」している。 (全文は、「仲間から」に掲載)
6団体は「今回の総選挙は岸田政権だけでなく、2017年総選挙以降の安倍・菅政治を問う選挙でもあります。安倍・菅政権は何だったのか、安倍・菅政治を完全には断ち切れない岸田政権を続けてもいいのか、が問われている」として、個々の問題点に触れている。
以下、6団体の検証を元に、自民党の政策を読み直してみた。
自民党の「政策BANK」は、
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/pamphlet/20211011_bank.pdf 参照。
▼新自由主義による医療体制の破壊
「感染症からいのちと暮らしを守る」と言いながら、実際に医療体制は壊されている。91年に852個所あったのに、ことしは470個所と半減、病院のICUの数は人口10万人当たり14.4床で、34.7床の米国の4割、、29.2床のドイツの半分、医師の数も1000人当たり2.4人で、OECD平均3.5人の7割弱、OECDの中では35カ国中32位。「新しい資本主義」を掲げながら、「労働者保護」の項目はなく、非正規労働者が全労働者の40%を超えている事実にも目を覆ったままだ。
▼引き続き「原発依存」、農林水産業を成長産業に
「脱酸素社会」を掲げながら、福島事故の総括もなく、世界の「脱原発」の方向にも背を向けて、10月22日「第6次エネルギー基本計画」を閣議決定。何と、現在の原子力の実績は6%にもかかわらず、2030年度目標では20~22%と設定した。「可能な限り原発依存度を低減する」と、全く矛盾した方向を示している。
矛盾した方向は食糧自給率対策にも見られる。1965年の食糧自給率は73%、昨年は37%、それなのに、TPPと関連法を強行したのが自民党だった。
▼宇宙戦争と防衛費拡大
「政策」は「衛星・ロケット新技術開発」「宇宙産業市場の倍増」を主張、一方で「防衛力の大幅な強化」を掲げ、「NATO諸国の国防予算のGNP比2%を念頭に増額を目指す」としている。衛星、ロケット、宇宙開発は米国の宇宙戦略への迎合、協力だし、今年度5兆1235億円はGNPの1%以内に収まっている。これを2倍に、という必要はどこにあるのか。
また、「弾道ミサイル等への対応能力を進化させる」と称して「相手領域内で弾道ミサイル等を阻止する」とし、他国との無限定な戦争を想定して、明らかな9条違反の「敵基地攻撃論」を展開している。
財政でも「単年度主義の弊害是正」をいっているが、既に防衛費など後年度負担が続々。戦前の軍事増大と似た構造ができあがっている。
▼国家主義教育、ODAを「国益」利用、官庁・大学のインテリジェンス利用
「端末1人1台」や、「小学校の35人学級推進」などをいう半面、「学制150年」や「教育は国家の基本」などを打ち出しているのが教育政策。「検証」は「国家のために教育をするのではない」と批判した。
また、自民党は外交政策でも、「毅然とした日本外交」とか「国防力の強化」とかをいい、ODAを国益や日本企業の海外進出に利用する考え方が出され「国益に即したODA」を打ち出している。
さらに、デジタル庁を新設した一方で、公安調査庁の拡充、インテリジェンス能力を強化、各省や企業、大学との連携を強める、という。危険な政策ゾロゾロの感じだ。
▼そして改憲…
自民党は「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三つの基本原理は今後とも堅持」といいながら、改憲を進めようとしている。
2012年の自民党の改憲草案は、9条を改正して全面的な集団的自衛権の行使ができる国防軍を保持しようとするもの。改正イメージとして打ちだしている①自衛隊明記②緊急事態対応③合区解消④教育充実―の4項目では、自衛隊違憲論による専守防衛などの否定、戦争法の合憲化が狙い。コロナ対策のために緊急事態条項を、というのも、それでコロナ対策ができるわけではないし、合区問題は比例代表制一本にすれば問題は解決する。 憲法99条の大臣、議員、公務員の憲法擁護義務を守ってまず、憲法理念の実現に努めるべきだ。
自民党総裁選で、安倍首相肝いりの高市早苗候補が、タカ派的言動を展開した。メディアは批判することもなく、これを報道したが、高市氏は岸田総裁の下で、党の政策を取りまとめる政務調査会長に就任。早速手がけたのが、この「政策BANK」だ。
いかにも、安倍―菅―岸田から高市政調会長のカラーがくっきり。口先だけの平和主義にまぶした危険な政策が勢揃いした。
こんな「亡国の政策」を続けさせるわけにはいかない。4野党と市民連合の共通政策(「仲間から」に全文掲載)と比較すれば、その体系がいかにバラバラで、矛盾に満ちているかもよくわかる。
(了)
2021/10/22
自民党が緊急通達
「与党、過半数を視野」「小選挙区4割で野党と接戦 維新に勢い」(日経)―マスコミ各社の「総選挙序盤情勢」が掲載された。野党共闘の結果、小選挙区の情勢がこれまでと変わってきているが、「自民・公明vs立憲・共産・市民連合」の図式が明らかになる中で、自民党が引き締めを強めている。産経新聞によれば、自民党は21日、衆院選自民候補者に向けて、甘利明幹事長と遠藤利明選対委員長の連名で「情勢緊迫 一票一票の獲得に全力を‼」と題する通達を出した。
通達では、各社の序盤情勢を受けて、「全国各地で多くのわが党候補者が当落を争う極めて緊迫した状況にあると認識している」と指摘。野党共闘が多くの選挙区で行われていることに触れ「かえってこの選挙が『(自公の)自由民主主義政権』か『共産主義(が参加する)政権』かの体制選択選挙であることが有権者の目に鮮明になっている」と強調。その上で「選挙にかかる全て運動に全身全霊で取り組み、一分一秒をおろそかにせず、残りの選挙戦を戦い抜くようお願い申し上げる」と呼びかけた。
要するに、「反共宣伝」で「体制維持」を訴える戦略で、焦点はやはり「比例」にある。
一方の野党は、候補一本化で選挙区は立民に譲った共産が、立民の支持を受け共闘になった選挙区でどれだけ取れるか、独自に比例をどこまで伸ばせるか、がポイント。
「共通政策」も共産党の支援がなければ空中分解する問題も少なくないだけに、その「浸透」が重要。野党側は「選挙区は立民」という選挙区が多いだけに、立民にも共産を埋没させない努力が必要。いずれにせよ、「情勢緊迫」は確かなようだ。
(了)