/ 

2024/02/17
やっぱり違憲! 企業の政治献金
 企業の政治献金はやっぱり憲法違反ではないのか ―自民党が混乱し、政治が手に着かない状況を見て、改めて思うことは、まだ、日本の復興が語られる時代に、企業についても自然人と同じように、「政治的人格」を認め、大手を振って企業が振る舞うようにしてしまった日本社会、それを法的に支えた最高裁判決に問題があるのではないか、と思っている。この際、改めて、この問題について、再検討し、判例変更への運動を起こすべきではないかと思う。

 自民党派閥の政治資金パーティ裏金事件は、刑事事件としては、国会議員1人の逮捕、3人の略式起訴、10人の立件という結果で一段落した。自民党、岸田首相は、「政治刷新本部」なるものを作り,「派閥解消」で,事態収拾を図ろうとしているが、問題は「派閥」ではなく「カネ」。自民党に求められているのは「派閥解消」ではなく「カネ」。誰がどう受け取って、どう使ったか、明らかにされなければならない。
 同時に、検討されなければならないことは、政治にカネがかかる「仕組み」と大きく強大になってしまった「国家独占資本主義体制」の中での「個人」と「団体」の関係である。
いま、大企業は、現在の政治権力者である自民党に献金することを当然として、交際費なのか、販売促進経費なのか、なにがしかのカネを準備する。必要なとき、求めに応じて、党や議員が作る「政治資金団体」に献金したり、主催するパーティ券を購入する。
 そのカネの法的な処理がどうなっているか、企業の側は知らなくていい。そこで企業は、一般の有権者より、何十倍、何百倍の実力を持って、政治を支配する形態ができあがっている。しかし、事実上はこのカネは、直接的なワイロではないにしても、献金者の「意思」に沿った政治を求めるためのカネだ。
 果たしてこれは、民主政治の中で許されることかどうか、だ。
 
▼問われた大企業の政治姿勢
 1960年3月、八幡製鉄所の代表取締役2人が、会社の名義で、自民党に350万円の政治献金をした。これに対して、ある株主が、「八幡製鉄は『鉄鋼の製造及び販売ならびにこれに付帯する事業』をその目的とすると定款に定めている。政治献金は定款所定の目的を逸脱するものであり、その行為は定款違反の行為として商法266条1項5号(現・会社法120条1項及び847条1項)の責任に違反するものである」として、株主代表訴訟(代位訴訟)を提起した。
 当然これは、社会的な問題になったが、「60年安保」からまもなく。民主主義がごく当たり前に論じられた時代だった。
 これに対し、一審の東京地裁は1963年4月、「会社が営利追求を本質的目的とする以上、株主の同意が得られるであろう行為は除いて、無償の支出行為一般は目的の範囲外であり、政治献金も目的の範囲外である。よって、それを行った取締役は金額の大小によらず、定款違反ならびに忠実義務違反に問われ、献金した額を会社に賠償しなければならない」と原告の請求を認容した。

 被告は控訴し、第二審の東京高裁は1966年1月、「取締役の会社を代表して行う政治献金は、その額が過大であるなど特段の事情が無い限り、原則として定款・法令違反を構成せず、賠償責任は発生しない」と判断、事件は最高裁に持ち込まれた。
 
 ところが最高裁は、1970年6月、次のように判示、被告・八幡製鉄を勝訴させた。

① 会社は定款所定の目的の範囲内において権利能力を有する、との前提に立ち、目的の範囲内の行為とは定款に明示された目的に限らずその目的遂行のために直接または間接に必要な行為すべてを含む。
② 会社も自然人同様、社会の構成単位であり、社会的作用を負担せざるを得ない。その負担は企業の円滑な発展に効果があり、間接的ではあるが、(定款所定の)目的遂行上必要といえる。政治献金も同様 で、政党政治の健全な発展に協力することは社会的実在たる会社にとっては当然の行為として期待される。
③ 会社は自然人同様、納税者たる立場において政治的意見を表明することを禁止する理由はない。会社の政治献金は参政権違反ではない。憲法第三章「国民の権利及び義務」は性質上可能な限り内国の法人にも適用すべきであり、政治的行為の自由もまた同様である。
④ 取締役の忠実義務は善管注意義務を敷衍し、かつ一層明確にしたにとどまるのであって、それとは別個の高度な義務を規定したものではない。合理的範囲内を超え、会社規模などからいって不相応な額の政治献金でもない限り、忠実義務違反とはならない。

▼最高裁判決の見直しを
 判決は、傍論的ではあるが、「社会的実在たる会社が社会的作用に属する行為を負担することは、間接的に会社の利益となり、目的の範囲内に含まれる」と述べており、多くの学説はこの結論を支持した。また、法人の政治的自由が認められたことは一つのエポックだったが、すべての法人が自由な政治活動を認められるわけではなかった。
 この考え方の根幹にあるのは、判決理由の第2項目にあげた、「企業も社会の構成単位」「政党政治の健全な発展に協力することは社会的実在たる会社にとっては当然の行為」という考え方だ。

 しかしどうなのだろう? いま、地球環境問題を含めて文明が問われている中で、法人格を持ち、巨大な金を持つようになった大企業が、自然人の集合体でありながら、本来守るべき人間の生活を破壊し、いつの間にか、危険な方向に誘導する状況が生まれていることをどう考えるか、ということではないだろうか。
 極端に言えば、巨大株主、会社支配者の意思が、「政治献金」という形で、民主政治の中に入り込み、国民個人の民主主義や、価値観を破壊するとき、一票を持つ国民=自然人は、「法人」と名づけた「虚構の意思表示主体」の行動を、拒否する力ももないまま、認めてしまっていいのか、ということである。
 法人と個人の関係も、高度成長期以前とは全く違っているいま、法人に政治的行為を認めた最高裁判決は、改めて再検討されなければならないのではないだろうか。この際、改めて理論構築と判例変更への運動を、と思えてならない。
(S.M)
2024/02/06
「9月」見据えて、改憲派との攻防今正念場だ
 筆者はこれまで憲法をめぐる改憲勢力とその反対運動の拮抗、対峙をおもなテーマとして書いてきた。そのなかで昨年暮れからの岸田内閣の危機・弱体化(おもにはパーティー券・政治資金問題)から、「押せ押せだ」「総裁任期(24年9月)までの岸田退陣もあるぞ」と言ってきた(昨年12月)。

 しかし自民の狡猾さはそういう流れの隙間を巧妙に潜り抜けているかにみえる 。安部派の力をそぐという「利点」はあるにせよ閣僚更迭などで5人衆の役職を解いた。しかし「企業・団体献金禁止」という本道をだげは何としても避けようと画策し、「派閥解消」という弥縫策ですらないもので目くらましをしようとしている。

 通常国会が進行しているいま、政治力学というか永田町は「それでも岸田の世は続く『倦怠政界』」(情報誌『選択』2月号)だという。国民はそれでいいわけがない。

 「総裁任期中」の改憲でいえば、岸田のもの言いに、ごく小さい変化はあった。1月30日の施政方針演説では、改憲について「自分の総裁任期中に改正を実現したいという思いに変わりはない」と述べた。改憲応援の「産経」によれば、「過去6回の施政方針演説、所信表明演説で目標時期に言及」(2月1日付)したのは初めてだと元気づいている。

 もう一つの変化。岸田の改憲フレーズは「任期中に改憲をという思いはいささかも変わっていない」が定番だったのに、今年は1月4日の初会見以来「いささかも」がなくなっている。ただこれは形容句のひとつなので、これで岸田の改憲熱意がダウンしたとみることは「いささかも」できない。

 こうして「憲法」をかかえつつ、「自民内では『解散』と『退陣』の両ケースで様々なシナリオ」がささやかれているという。この記事は「岸田6月解散」論を見出しにしている。そんな岸田戦略に「9月までの改憲」が入り込めるのか。6月までの国会で両院の3分の2以上の賛成で改憲条文が決定されて「発議」され、7~8月の国民的討論(いわゆる周知期間)、最後に国民投票、というスケジュールだ。

 かつて自民党の憲法アドバイザーだった小林節・慶大名誉教授は1月半ばの日刊ゲンダイで首相の「9月までの改憲」について「ありえない」とまで断言している。「国民投票で過半数の賛成が得られる具体的な改憲案が存在していない。これは致命的」と言っている。リアルな分析の一つと言える。

 高田健氏(戦争させない・9条壊すな総がかり行動共同代表)は、昨年12月の7日の衆院憲法審査会で中谷元・与党筆頭幹事(自民)が自衛隊明記については「ほぼ合意」と述べたことを厳しく批判している(週刊金曜日1月26日号)。高田氏は大局で改憲賛成の公明、国民両党の幹部の発言を分析し、虚構の「ほぼ合意」を論破した。

 私はこれまでの論で「改憲勢力とのたたかいは今後もずっと続く」「彼らの執念をいささかも軽視してはならない」といってきた。今回の小論で付け加えるとすれば、「『9月までに改憲』などの狂暴な強行はまったくもってあってはならない」「岸田政権が『解散』などで生き延びて9月に自民総裁に再選されることもまた許してはならない」ということだ。
(寺)
2024/01/01
「議員任期延長改憲」って何だ?
 暮れの政局を襲った「政治資金パーティ裏ガネ疑獄」で、ほとんど報道されず、隠されてしまっているが、衆院の憲法審査会で改憲各党が、「武力攻撃事態、災害、テロ、感染症などの緊急時に、内閣の判断で国会議員の任期延長を認めるとする憲法改正が必要」という意見が、おおむね一致し「通常国会では条文案を決めたい」などと公言している。

▼「ナチスに倣って(注1)」を実行へ

 九条を変えたいという「改憲の本丸」と比較して、「どこまで本気か」という論議だが、実は、国会の議論と法律で、独裁政権がやりたい放題にしていくという戦略は、かつてナチスがやった方法で、2013年夏、当時、安倍内閣の副総理だった自民党・麻生太郎現・副総裁は、講演で「改憲はナチスに学んで」と話したことがある。これから考えると、この「議員任期延長改憲」は容易に無視するわけにいかない。
 1932年の選挙で第1党の地位を獲得したヒトラーは、33年1月に政権を獲得、2月27日の国会議事堂放火事件によって共産党を事実上排除したのに続き、3月、立法府が行政府に立法権を含む一定の権利を認める「民族および国家の危難を除去するための法律」(「授権法」)を成立させた。この法律で、ナチス政権下のドイツでは、立法権や憲法改正権が内閣に委譲され、ヒトラーは行政権と立法権を手に入れ、史上最も民主的な憲法だとされた「ワイマール憲法」は事実上無効となりました。順次、政党の設立が禁止され、遺伝病を「強制断種」する法が制定され、ユダヤ人の迫害や虐殺も制度化された。

 法律家6団体で構成している「改憲問題対策法律家6団体連絡会」(注2)(大江京子事務局長=日民協)とは、この状況に、パンフレット「『国会議員の任期延長改憲』その危険な本質~軍事大国化の中での憲法審査会の動向~」を「9条改憲NO!全国市民アクション」とともに発刊。12月26日、賛同する憲法学者とともに、自由民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党、有志の会の各党・会派に公開質問状を出した。1月末までの回答を求めている。質問状は、①「選挙権の制限」②「選挙の一体性」③「選挙困難事態」④「緊急集会」⑤「国会機能の維持」―についてで、12項目について、考え方を質している。
 
▼杜撰な論理に12項目の質問

 各項の質問は、要旨次の通り。なお全文は、各団体HPに。

 質問1: 国会議員の任期延長とは、選挙が実施可能な地域の有権者の立場から見ると、選挙の延期は「選挙権の停止」であり「選挙権の制限」だと考えるが、貴党(貴会派)は、国会議員の任期延長改憲が、国民の「選挙権の制限に該当すると考えるか?

 質問2: 問1で選挙権の制限に「該当する」とお答えの場合、最高裁が言っている「制限をすることなしには選挙の公正を確保しつつ選挙権の行使を認めることが事実上不能ないし著しく困難」な場合に該当すると考えるのか? 「該当しない」というならなぜか。ともに、理由を示して答えてほしい。

 質問3: 貴党(会派)は、議員任期延長が必要な理由として、「選挙の一体性」を挙げているが、この「選挙の一体性」は、憲法上・法律上の根拠があると考えているか。「ある」とお答えの場合は、具体的な根拠を示してほしい。

 質問4: 公職選挙法は選挙区単位の選挙を前提としており、国政選挙において再選 挙や補欠選挙を定めている。(33条の2、109条、110条、113条)。  貴党(会派)は、再選挙や補欠選挙は、「選挙の一体性」に反すると考えるのか。 「反しない」と考えるならば、その理由を述べてほしい。
 
 質問5: 任期延長改憲の要件で、「選挙の一体性が害されるほどの広範な地域」と いう概念を主張されている会派にお尋ねするが、具体的にどの程度広範な地 域を指すか、明確な基準を示してお答えください。

 質問6: 憲法調査会では、必要条件として、「適正な選挙実施が困難な状態」(自民)、「選挙の一体性が害されるほどの広範な地域において国政選挙の適正な実施が70日を超えて困難であることが明らかであること」(公明、維新、国民、有志)が必要な要件として主張されている。各事態について、それぞれどんな事態を想定しているか、できる限り具体的に答えてほしい。
①国家有事・武力攻撃
②大規模自然災害
③テロ・内乱
④感染症まん延
⑤その他これらに匹敵する事態

▼乱用防ぐ「緊急集会」規定

 質問7: 貴党(会派)は、参議院の緊急集会は、一時的・限定的・暫定的制度だから議員任期延長改憲が必要だと主張している。しかし、緊急事態への対処には、あくまで臨時の暫定措置に留めることが緊急事態の恒久化や行政権力濫用を防ぐために肝要だ。
 参議院の緊急集会は、それが臨時的、暫定の措置を定めた制度である点に意味があり、参考人の憲法学者も、「現行憲法の定める緊急集会制度は、①平常時と非常時を明確に区別する、②緊急集会はあくまで暫定的な臨時の措置のみがとられる、③選挙を経て正規の国会が召集され次第、その当否があらためて審議されるとするもので、十分な理由によって支えられた制度。これに新たな制度を追加する必要性は、見出しにくい」(2023年5月18日衆議院憲法審査会。長谷部恭男参考人=早大教授、東大名誉教授)と述べている。この見解に異論があれば、具体的根拠を示して反論してほしい。

 質問8: 貴党(会派)は、参議院の緊急集会は、二院制の例外だから、議員任期延長改憲が必要であると主張している。しかし、憲法は、緊急の際にも民主政治を徹底させて権利を十分擁護するために、参議院の緊急集会に国会の機能を臨時に代行させることとした。これには学説上異論はないが、とすると、参議院の緊急集会が二院制の例外であることを理由に、民主政治を徹底させるための、議会制民主主義の根幹の基本権である選挙権を制限(一定期間選挙権の行使を停止)することは、矛盾している。この見解に異論があれば、具体的根拠を示して反論してほしい。

 質問9: 憲法54条は衆議院の解散について、40日以内に総選挙、選挙から30日以内に国会召集を決めているが、これは政府が、何かの理由を付けて解散後いつまでも総選挙を実施しなかったり、総選挙後いつまでも国会を召集しないなどの形で、現在の民意を反映していない従前の政府がそのまま政権の座に居座り続けることを防ぐためだ。これは、前述の長谷部参考人も「緊急集会の継続期間が限られているように見えるのは、その間接的、派生的効果なのに、それを根拠に、従前の衆議院議員の任期を延長や、従前の政権の居座りを認めるというのは、まさに本末転倒の議論だ」などと述べている。この見解に対して異論があれば、具体的根拠を示して反論してほしい。

 質問10: 2023年5月18日の衆議院憲法審査会で、長谷部恭男参考人は、要旨次のように述べている。
 「衆議院議員の任期を延長すると、そこには、総選挙を経た正規のものとは異なる、言ってみれば異形のもの、国会ての権能を行使し得るある種の国会が存在することになる。そこでは通常の一般的な法律が成立する。そうすると、緊急時の名をかりて、通常時の法制度そのものを大きく変革する法律が次々に制定されるリスクも含まれている、ということになりかねない。悪くすると、任期が延長された衆議院と、それに支えられた従前の政権が、長期にわたって居座り続けることにもなりかねない」
 このような「居座り」の危険性、緊急事態の恒久化の危険性に対して、どのように対処することを考えるか。具体的に答えてほしい。「居座り」や「緊急事態の恒久化」の危険はないと考える場合、その理由を答えてほしい。

▼内閣を居座りさせ強行する?

 質問11: 2023年5月31日参議院憲法審査会で、土井真一参考人は参議院の緊急集会について、「衆議院議員の候補者の皆さんはもちろん、内閣を構成する内閣総理大臣及び国務大臣の多くが慣行上衆議院議員から選ばれているので、自らの正統性を支える衆議院が存在することになるよう、できる限り早期に総選挙が実施されることを強く働きかける復元力になり得ると考えられる」と述べた。緊急集会のこのような性質と比較した場合、現在主張されている任期延長の憲法改正案では、できる限り早期に総選挙を実施しようとするインセンティブが働きにくい、国会を正常に戻す「復元力」が働きにくいと考えられる。この「復元力」が働かない恐れについて、どのように対処するか。具体的に答えてほしい。「復元力」が働かないことはないとお考えの場合は、その理由も答えてほしい。

 質問12: 貴党(会派)は、「任期延長改憲は、緊急時に国会機能を維持するために必要」と主張している。それなら、現時点においても、国会機能が損なわれている現状がないか、あれば直ちにそれを改善すべきだと考える。ほとんどの国民が必要とは考えていない憲法改正(例えば2023年10月NHK世論調査)の議論に時間を費やすよりも、現に違憲もしくは違憲の可能性のある事態がある場合は、それを改めるために調査、審議をすることが先決事項だ。この点についての、貴党(会派)の見解を聞かせてほしい。
 具体的に、2017年6月22日や2021年7月16日の野党による臨時国会の召集要求(憲法53条)に対して、内閣が3か月以上も召集を行わなかった事態について、貴党(会派)の見解を聞かせてほしい。

(注1)麻生副総理(当時)の「ナチスに倣って」発言は次の通り
 (「2013年7月29日、の国家基本問題研究所月例研究会」
僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。
 ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。 全然違いますよ。
 ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはあり得るということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないと…(中略)
 しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと書いて、俺たちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、色んな意見を何十時間もかけて作り上げた。そういった思いが、我々にある。
 そのときに喧々諤々やりあった。
30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。
自民党の部会で怒鳴り合いもなく。(中略)ぜひ、そういう中で作られた。
 ぜひ、今回の憲法の話も私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやって欲しくない。靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。
静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。(中略)それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。
昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。
マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。
 憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。
 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪の中で決めて欲しくない。

(注2)「改憲問題対策法律家6団体連絡会」と代表者は、次の通り。
・社会文化法律センター(海渡雄一共同代表理事) ・自由法曹団(岩田研二郎団長) ・青年法律家協会弁護士学者合同部会(笹山 尚人議長) ・日本国際法律家協会(大熊政一会長) ・日本反核法律家協会(大久保賢一会長) ・日本民主法律家協会(新倉修理事長)
(S.M)
管理  
- Topics Board -