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2025/12/14
<12月のまんが> 争点をそんなに逸らしてどうするの?    鈴木 彰

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 維新の会を抱き込んでつくった少数与党が、衆議院では公明・国民民主も抱き込んで、8472億円もの軍事費や大企業へのばらまきを基本とする補正予算案を通過させた。物価高騰から暮らしを守り、経済を抜本的に立て直すことが切実に求められ、金権・腐敗の自民党政治の転換を圧倒的な国民が求めている時に、これは何としたことだろう? 「女性初」の高市早苗総理は、11月26日の党首討論で、立憲民主の野田佳彦代表が企業団体献金規制を迫ったのに対し「そんなことより定数削減をやりましょう」と発言するという、みごとな「争点反らし」を演じたが、答えはここにあると思われる。つまり、すでに政治生命を終えている自民党が、世論の糾弾をものともせずに企業・団体献金の禁止を拒否するのは、大企業からの莫大な献金によって操られ、それを金権としてむさぼるからに他ならず、これらを踏まえて働く支配の網の目が、その周囲に絶えず追随・補完勢力を再生産する。唯一の戦争被爆国として長い間、歴代政権が堅持してきた「非核3原則」や防衛費のGDP比1%を「安保3文書」とその改定で見直し、「防衛装備移転3原則」の一部廃止で殺傷兵器の輸出を全面解禁し、現代の治安維持法「スパイ防止法」の復活、「国家情報局」の創設まで公言する。法律で平和利用に限定されているのに原子力潜水艦の保有も狙う。戦後80年の社会の発展を一気に遡るムリを、発展してきた社会が認めるわけはないと思う。このようなムリを押し通すのが高市総理の「争点反らし」であり、それは一時的にうまく行って私たちに困難と苦痛をもたらすけれど、所詮ムリはムリなのだという思いを今月は描いてみた。
2025/11/18
2025年<11月のまんが> ぴょんぴょんと「ふたつのイシン」を使い分け 鈴木 彰

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 日米同盟と企業献金によって米国と財界にあやつられ、大軍拡と大増税、金権と腐敗、格差と貧困をほしいままにしてきた自民党は、昨年秋の総選挙でも今年夏の参院選でも、国民の厳しい審判を受け、単独ではどんな政策も強行採決できない「少数与党」になった。ところが高市早苗氏が自民党総裁に選ばれた10月4日以降の1カ月半。「窮鼠かえって猫を嚙む」かのごとく、自民党は日本の政治状況を激変させているように見える。「企業献金の禁止」を求める公明党を連立から追い出し、「企業献金の禁止よりも議員定数の削減」と主張する日本維新の会と連立したのは、あくまでも財界ファーストをつらぬこうとの魂胆だ。10月21日に「ライフ・ワーク・バランスを捨てる」「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」と言って高市「自・維内閣」を組閣したのは、働き方改悪とアメリカ外交の「真ん中」を担う宣言に見えた。10月28日に日本に立ち寄ったトランプ米大統領との「日米首脳会談」を経て、東京のど真ん中の米軍基地から大統領専用ヘリで横須賀の米軍原子力空母「ジョージ・ワシントン」に乗り込み、並み居る米兵を前に軍事予算の前倒しや増強を約束し、「日米同盟の新たな黄金時代をつくる」、トランプ大統領を「ノーベル平和賞候補に推薦する」などと言い放った。この間に実現した日中首脳会談も国会での「台湾有事」答弁でこじらせている。この内閣は、唯一の戦争被爆国として長い間、歴代政権が堅持してきた「非核3原則」を安保3文書改定によって見直し、「防衛装備移転3原則」での「5類型」も廃止し、殺傷兵器の輸出を全面解禁しようとしている。さらに、現代の治安維持法「スパイ防止法」を復活させ、「国家情報局」や「対外情報庁」を創設する方針も明らかにしている。防衛費については、アメリカが目論むGDP比3.5も視野に入れ、2%への増額を今年度中に前倒しする。法律で平和利用に限定されているのに原子力潜水艦の保有を狙う。「少数与党」なのに、短期間で一気に「戦争国家」をつくり上げて、国民の抵抗をそごうと言うのは滑稽だけれど、限りなく危険だ。絵にもならないが描いておく。
2025/10/11
2025<10月のまんが> 時効後の自公はどこへ行くのやら

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 自民党総裁に高市早苗氏前経済安保担当相が選ばれた(10/4)。国会議席の多数を握って、大軍拡と原発推進・環境破壊、暮らしと社会保障改悪、憲法と民主主義破壊の法律を次つぎと強行採決で成立させて、大企業・大資本の献金に恩返ししてきたのが自民党政治だったが、企業・団体献金と裏金、悪政の数々が世論の糾弾を浴び昨年の衆院選(10/27)と今年の参院選(7/20)で公明党と合算しても議席の過半数を取れなくなった。いわゆる「少数与党」となったわけだが、自民党は昨年の総裁選(9/27)で総裁・総理となって衆参両選挙に臨んだ石破氏に責任を負わせて今年の総裁選を演じ、その結果生まれた「初の女性総裁」で危機打開を狙った。「初の女性総裁」は選出された喜びを込めて就任のあいさつでこう言った。「全世代総力結集で、全員参加で・・・馬車馬のように働いていただきます。私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて働いて働いて働いて働いて参ります」。ここには男女差別とたたかう思いは微塵も感じられない。金権・腐敗、差別と貧困への反省もなく、高物価・重税・低賃金を助長する差別・排外主義を利用して民主主義と社会保障をさらに破壊し、積極財政・積極投資で経済・社会の軍事化を推進する狙いが透けて見える。「おーっと、高市さん、何か忘れてはいませんか?」、世論はそれを認めないから自公両党を「少数与党」にしたんだよ。そんな思いを「今月のまんが」にしようと、高市総裁を「タカ派のまとい持ち」に仕立てて描きあげた。そこへ飛び込んできたのが「公明党の連立離脱」の情報(10/10)! 慌てた私は、26年間の自公連立政治に時効と破綻が来たのだなあと感慨に浸りながら、斉藤さんと高市さんの短い会話(?)を描き足した。
2025/09/16
<9月のまんが> 相殺戦 だれが勝っても地味ん党

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 自公政権が「少数与党」となったのは、その企業献金に操られ、アメリカの軍事・経済に追随し、それらのツケを国民の暮らし福祉、平和と民主主義の破壊に押し付ける自民党政治を国民が見放したからに他ならない。その機に乗じて、「少数与党」の援軍、すなわち「補完勢力」が派手に名乗りを上げ、政権の中心である自民党はますます影が薄くなって「地味ん党」になってしまった。そういう時代に、自民党政治を総決算し、国民の苦しみを一掃する真の「野党共闘」こそ求められるところだが、いかんせん、先の「補完勢力」もまた野党であり、それが「野党共闘」を標ぼうするものだから、事態は混沌としている。ここから真の「野党共闘」を実現するための模索と探求が急務である。このような「野党共闘混沌」の情勢に勝機を見出したのかもしれないが、自民党が前回から1年しか経っていないのに「総裁選」をやるという。いち早く出馬を表明した茂木敏充前幹事長に続いて、小泉進次郎農相や高市早苗前経済安全保障担当相、林芳正官房長官、小林鷹之元経済安保担当相が立候補の意向を固め、9月22日告示、10月4日に投票だと、例によってマスコミを巻き込んだお祭り騒ぎが始まっている。しかし、繰り返すが自民党が「少数与党」になったのは国民が見放したからなので、1年前の総裁選で負けたばかりの、代わり映えのしない候補者の、だれが勝っても「少数与党」の現実は変わらない。この人たちは、この総裁選で勝って、何をしようと言うのだろうか。この疑問を描いてみた。
 時間があったら私のサイト「草の庵」にもおいでください  →  http://kusanoiori.raindrop.jp/
2025/08/16
<8月のまんが> いちにのさん! 何処へ跳ぶやら惨凄党

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 「天皇は元首」「国旗は日章旗、国歌は君が代」、「国は、自衛のための軍隊を保持する」、「国民は、子孫のために日本をまもる義務を負う」などの憲法案を掲げ、「日本人ファースト」「終末期の延命措置医療費の全額自己負担化」「無制限な外国人受け入れに反対」など高齢者と弱者切り捨て、外国人排外を叫ぶ参政党が、参議院に14議席を獲得して1カ月になる。この参政党の神谷宗幣代表が弱者切り捨て臨時国会の最終日となった8月5日、予算委員会で初めて石破首相に行なった質問は、トランプ大統領が表明する①DGs政策の廃止、②パリ協定離脱と脱炭素政策の廃止、③パンデミック対策の見直しとWHO脱退、④ウクライナ支援の見直し、⑤DEI(多様性・公平性・包括性)政策の廃止、⑥政府によるSNS規制の撤廃など「6つの政策」について「一緒に日本もやらないか」提案された事実はないかという、トランプ政策にへつらうものだった。次いで15日には「今日は朝から参政党の国会議員18名全員と地方議員70名の合計88名で靖国神社の昇殿参拝をし、千鳥ヶ淵の全国戦没者追悼式に参加してきました」と、憲法案を実践して見せた。「沖縄戦で日本軍は県民を守ってくれた」「南京大虐殺は無かった」「軍拡はむしろ安上がり」・・・同党の言動に驚き呆れるのだが、彼らが強調するように多くの国民の支持が寄せられたことも事実。しかしこれらの言動は、民主主義の歴史が築いてきた日本国憲法と、衆参で与党を過半数割れに追い込んできた国民世論について、無邪気なまでに無知であり、与党の延命または与党以上に凄惨な政治を呼び込む危険に満ちている。このことに早く気付こう! そんな思いを込めて描いた。

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