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2025/10/11
2025<10月のまんが> 時効後の自公はどこへ行くのやら

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 自民党総裁に高市早苗氏前経済安保担当相が選ばれた(10/4)。国会議席の多数を握って、大軍拡と原発推進・環境破壊、暮らしと社会保障改悪、憲法と民主主義破壊の法律を次つぎと強行採決で成立させて、大企業・大資本の献金に恩返ししてきたのが自民党政治だったが、企業・団体献金と裏金、悪政の数々が世論の糾弾を浴び昨年の衆院選(10/27)と今年の参院選(7/20)で公明党と合算しても議席の過半数を取れなくなった。いわゆる「少数与党」となったわけだが、自民党は昨年の総裁選(9/27)で総裁・総理となって衆参両選挙に臨んだ石破氏に責任を負わせて今年の総裁選を演じ、その結果生まれた「初の女性総裁」で危機打開を狙った。「初の女性総裁」は選出された喜びを込めて就任のあいさつでこう言った。「全世代総力結集で、全員参加で・・・馬車馬のように働いていただきます。私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて働いて働いて働いて働いて参ります」。ここには男女差別とたたかう思いは微塵も感じられない。金権・腐敗、差別と貧困への反省もなく、高物価・重税・低賃金を助長する差別・排外主義を利用して民主主義と社会保障をさらに破壊し、積極財政・積極投資で経済・社会の軍事化を推進する狙いが透けて見える。「おーっと、高市さん、何か忘れてはいませんか?」、世論はそれを認めないから自公両党を「少数与党」にしたんだよ。そんな思いを「今月のまんが」にしようと、高市総裁を「タカ派のまとい持ち」に仕立てて描きあげた。そこへ飛び込んできたのが「公明党の連立離脱」の情報(10/10)! 慌てた私は、26年間の自公連立政治に時効と破綻が来たのだなあと感慨に浸りながら、斉藤さんと高市さんの短い会話(?)を描き足した。
2025/09/16
<9月のまんが> 相殺戦 だれが勝っても地味ん党

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 自公政権が「少数与党」となったのは、その企業献金に操られ、アメリカの軍事・経済に追随し、それらのツケを国民の暮らし福祉、平和と民主主義の破壊に押し付ける自民党政治を国民が見放したからに他ならない。その機に乗じて、「少数与党」の援軍、すなわち「補完勢力」が派手に名乗りを上げ、政権の中心である自民党はますます影が薄くなって「地味ん党」になってしまった。そういう時代に、自民党政治を総決算し、国民の苦しみを一掃する真の「野党共闘」こそ求められるところだが、いかんせん、先の「補完勢力」もまた野党であり、それが「野党共闘」を標ぼうするものだから、事態は混沌としている。ここから真の「野党共闘」を実現するための模索と探求が急務である。このような「野党共闘混沌」の情勢に勝機を見出したのかもしれないが、自民党が前回から1年しか経っていないのに「総裁選」をやるという。いち早く出馬を表明した茂木敏充前幹事長に続いて、小泉進次郎農相や高市早苗前経済安全保障担当相、林芳正官房長官、小林鷹之元経済安保担当相が立候補の意向を固め、9月22日告示、10月4日に投票だと、例によってマスコミを巻き込んだお祭り騒ぎが始まっている。しかし、繰り返すが自民党が「少数与党」になったのは国民が見放したからなので、1年前の総裁選で負けたばかりの、代わり映えのしない候補者の、だれが勝っても「少数与党」の現実は変わらない。この人たちは、この総裁選で勝って、何をしようと言うのだろうか。この疑問を描いてみた。
 時間があったら私のサイト「草の庵」にもおいでください  →  http://kusanoiori.raindrop.jp/
2025/08/16
<8月のまんが> いちにのさん! 何処へ跳ぶやら惨凄党

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 「天皇は元首」「国旗は日章旗、国歌は君が代」、「国は、自衛のための軍隊を保持する」、「国民は、子孫のために日本をまもる義務を負う」などの憲法案を掲げ、「日本人ファースト」「終末期の延命措置医療費の全額自己負担化」「無制限な外国人受け入れに反対」など高齢者と弱者切り捨て、外国人排外を叫ぶ参政党が、参議院に14議席を獲得して1カ月になる。この参政党の神谷宗幣代表が弱者切り捨て臨時国会の最終日となった8月5日、予算委員会で初めて石破首相に行なった質問は、トランプ大統領が表明する①DGs政策の廃止、②パリ協定離脱と脱炭素政策の廃止、③パンデミック対策の見直しとWHO脱退、④ウクライナ支援の見直し、⑤DEI(多様性・公平性・包括性)政策の廃止、⑥政府によるSNS規制の撤廃など「6つの政策」について「一緒に日本もやらないか」提案された事実はないかという、トランプ政策にへつらうものだった。次いで15日には「今日は朝から参政党の国会議員18名全員と地方議員70名の合計88名で靖国神社の昇殿参拝をし、千鳥ヶ淵の全国戦没者追悼式に参加してきました」と、憲法案を実践して見せた。「沖縄戦で日本軍は県民を守ってくれた」「南京大虐殺は無かった」「軍拡はむしろ安上がり」・・・同党の言動に驚き呆れるのだが、彼らが強調するように多くの国民の支持が寄せられたことも事実。しかしこれらの言動は、民主主義の歴史が築いてきた日本国憲法と、衆参で与党を過半数割れに追い込んできた国民世論について、無邪気なまでに無知であり、与党の延命または与党以上に凄惨な政治を呼び込む危険に満ちている。このことに早く気付こう! そんな思いを込めて描いた。

2025/07/16
2025 <7月のまんが> 東西の排外菌を駆除しよう      鈴木 彰

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 核兵器禁止条約締約国会議の推進、日本被団協の「ノーベル平和賞受賞」など、世界は戦後80年に躍動している。他方で世界は、ロシアのウクライナ侵略、イスラエルのガザ・ハマスへのジェノサイド攻撃、これらを仲裁して「ノーベル平和賞」を狙ったがうまく行かないのでトランプ大統領がのイラン爆撃などが「第三次世界大戦」の危険を深めている。この大きな対決を前にして、いま日本では異常な動きが連発している。外国人への高額療養費を疑問視する発言で役職停止に追い込まれた国民民主党の玉木代表が、その後「高齢者医療、終末期医療の見直し=尊厳死の法制化」これらによって若い人の社会保険料給付を抑える」、それが「消費を活性化し、次の好循環と賃金上昇を生み」出すと発言。続いて参院選への公約として、維新の会が「現役世代1人あたりの社会保険料を年6万円引き下げる」ために「医療費を年4兆円以上削減する」「外国人比率の上昇抑制や受け入れ総量規制を含む人口戦略を策定し外国人政策を国家として一元管理する」と表明すれば、負けじと参政党が「天皇は元首」「国旗は日章旗、国歌は君が代」、「国は、自衛のための軍隊を保持する」、「国民は、子孫のために日本をまもる義務を負う」などの憲法案を掲げ、「日本人ファースト」「無制限な外国人受け入れに反対」と表明した。これらの高齢者・外国人排除は、力によって命と人権を排除する「排外主義」であり、それが行きつく所は、ロシア・イスラエル・トランプがすでに開始してしまっている「終末戦争」に他ならない。・・・・人類ではなく「排外主義」の絶滅を! 今月はそんな思いを描いてみた。
2025/06/16
<6月のまんが> 二代目の幕は上手に引けるやら    鈴木 彰

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 コメの価格が1年間で倍に跳ね上がって国民の暮らしを窮地に追い込んでいる。米価高騰を抑えようと政府備蓄米を「入札」で放出したが効果が見えない5月、この施策を担当する江藤拓農林水産大臣が佐賀市で開かれた政治資金パーティーで「私はコメは買ったことはない」と発言し、野党が内閣不信任決議案の提出・可決をチラつかせて批判を強める中で石破茂首相は21日、江藤氏を更迭し小泉進次郎農水大臣を任命した。政府米放出を「随意契約」に切り換えて大手流通企業とともに古米(七光り米)放出の「二代目小泉劇場」にマスコミも飛びついてその「効果」を吹聴すると、わずかながら内閣支持率がたかまったりもした。これに焦った国民民主党・玉木雄一郎代表が衆院農林水産委員会で放出米を「あと1年たったら動物のエサになるようなもの」と発言してSNSで謝罪する一幕も生じた。しかし、今日の米価高騰は、重化学工業中心の経済発展のために、長年にわたって減反や備蓄米で米作・農業・食料自給を破壊してきた経済・農業政策に原因がある。1955年に604万戸(3635万人)あった農家は2020年には何と174万戸(349万人)に激減させられたのだ。小泉氏は、2024年産の作況指数が「平年並み」で、「コメの生産量は足りている」と、備蓄米放出での価格操作で問題が解決するかのように言い切り、生産・流通の現場から「実態は異なり、収穫量は足りない」との指摘があっても「放出米が足りねば外米を輸入して放出するから大丈夫」「収穫量が足りないと言うなら作況指数などの生産統計を見直す」と語る。基本問題に触れず、彼特有のきっぱりした口調できっぱり語る「二代目劇場」の滑稽さを、今月は描いてみた。

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