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2023/03/22
「岸田首相・キエフ訪問」でいいのか?
 岸田首相のウクライナ訪問が話題になっている。「ようやく訪問できた。まず、よかった」という意見が大方の見方らしい。だが、本当にそうだろうか?
 岸田首相がウクライナの訪問をするということは、少なくともロシアの侵略に反対し、この部分でウクライナの側に立つ、と言うことなのだろうが、一つ考えなければいけないのは、日本の外交姿勢として、どうなのか、ということだ。

 ウクライナ戦争の背景についてはここではあえて置く。しかし、ここで日本が示さなければならないのは、力による秩序の建設については断固反対し、NATOの側にもロシアの側にも立たないということではないだろうか。否応なく戦争に引きずり込まれたウクライナの民衆を支援し、何としても戦争を終わらせるために尽力することではないだろうか。
 ところが日本は、このウクライナ問題を契機に、大きく軍事的な立ち位置を、「西側」に傾斜させ、「米国」の「代貸し」として、活動している。その象徴が、ウクライナ訪問だったのではないだろうか。

何があったのか…? 
 米国が狙ったのは、日本をフルに使ってのアジア太平洋地域における中国包囲網つくりだ。言うまでもなく、アジアで影響を持っているのは、ASEAN(東南アジア条約機構)。しかし、この組織は軍事同盟ではなく、「反米」でも「反中」でもない。米国にしてみれば、この状況の中で、アジア版NATOで、米国覇権を実現するには容易ではない。
 米国は日本を使って、様々に「工作中」だ。クワッド(日、米、豪、印)の首脳会議(昨年5月)を開き、連携を強化。そして、岸田首相は「G7議長国」を売り物に、日本の首相としては初めて、NATO首脳会議に出席(昨年6月)、オーストラリアとの間でも「日豪同盟」を結び、「安全保障協力に関する日豪共同宣言」(昨年10月)を締結した。
 米国の動きに忠実な日本として露骨だったのは、「G20」についての対応だ。日本はこの3月、「G20」の外相会談に、林外相を出席させず、副大臣でお茶を濁した。問題になって慌てて首相がインド訪問で修復を図った。
 北朝鮮のミサイル実験が続いている。米国にしてみれば、日韓関係が聞く酌しているのが気がかり。そこで、ユン大統領に働きかけ、懸案の「徴用工問題」を解決をはかった。GSOMIA(軍事情報共用協定)を復活させた。日本は、問題は日本企業に始まっているのに、当然のことのようにとぼけている。

ロシアのウクライナ侵攻の今後は誰にもわからない。ただはっきりしているのは、双方の戦争で、犠牲になっているのはウクライナの民衆だと言うことだ。どうであれ、戦争をやめさせること。停戦を実現すること。支配者に人権弾圧をさせないこと。
 …「憲法9条」を「国是」とし、政府の行為によって戦争の惨禍が起きることをやめさせることを決意した日本国民としては、いま、しなければならないことは、そのための働きかけしかないではないか。
 いろいろ言われているが、中国の習近平主席はロシアを訪問し、話し合いに入っている。
誰の仲介でもいい。とにかく戦争をやめること。そのために、日本外交の力の全てを注いで、戦争終結にはたらいてほしい。それが国民の願いである。
2023/03/08
忘れはしない 高市早苗総務相発言
きっかけは・・安倍発言だった
 「ジャーナリズムとは(権力が)報じられたくない事を報じることだ。それ以外のものは広報に過ぎない」と言ったのはジョージ・オーウェル(英国の作家でジャーナリスト)だった。
▼ 日本のジャーナリズムはどうだったか。
第1回全国新聞週間(1948年)の標語
日米共通標語  あらゆる自由は知る権利から
日本の代表標語 あなたは自由を守れ 新聞はあなたを守る

▼ 一時期元気だったメディアだったが、変化し始めたきっかけは第2次安倍内閣からだといっていい。2013年初頭からメディアの社長たちと会食作戦を、1年間にわたって続けた。外国ではこんなことを聞いたことがない。

▼ 2014年11月18日 安倍首相が出演したTBS『サンデーモーニング』で、「インタビューの内容に偏りがある」と批判した。
 同 20日 自民党が在京テレビ局に対して、12月の衆院選にあたって、報道の公平・中立と公正確保を求める「お願い」文書提出
 同 23日 磯崎首相補佐官がツイッターに「日曜日恒例の不公平番組(『サンデーモーニング』)」「政治的に好き放題言うような番組が、放送法上許されるはずがない。だまって見過ごすわけにはいかない」などと投稿

▼ 2016年2月 高市総務大臣「一つの番組でも放送法の“政治的公平”に反する場合には電波停止を命じる可能性」に言及

▼ 2016年2月 総務省 放送法の「政治的公平の解釈」についての政府統一見解を発表。従来の法解釈の変更ではなく、「補充的に説明し、より明確にしたもの」と明記

▼ 2023年3月2日 小西洋之・立民参議院議員が、磯崎氏の働きかけで放送法解釈が変わった経緯を示すと主張する内部文書を公表

 3月3日 松元剛明総務省が、小西氏入手の文書に関して「事実に基づき記述されたものか確認できない」と述べ、総務省作成かどうかの回答を留保
 磯崎氏がツイッターで「補佐官在任中に放送法で定める政治的公平性の解釈について、総務省と意見交換をしたのは事実」と認める
 高市経済安全保障担当相が国会で、小西氏入手の文書に記載された自身のやりとりについては「ねつ造」と断言。事実であれば閣僚、議員を辞職する意向を表明した。
結果は? 放送法「行政文書」認める
 松本剛明総務相は7日、放送法の「政治的公平」の解釈変更をめぐる首相官邸と総務相のやりとりを記述したとされる文書について「すべて総務相の行政文書であることが確認できた」と述べた。
 報道の自由脅かす重大問題 
高市大臣 自身の答弁に責任を持つべきでしょう
 日本共産党の小池書記局長は「安倍政権が森友・加計学園問題や桜を見る会の疑惑隠し、安保法制など違憲立法を強行する一方で、報道機関への介入を行ってきたことが明らかになったとして「安倍政権時代の闇がまた一つ暴かれた。改めて安倍政治の負の遺産を一掃しなければならない」と強調している。そのとおりだ。
 メディアも正念場。ジョージ・オーウェルではないが、権力が報じられたくない事を元気に報じよう!

2023/02/25
世界で「NO WAR」の声を
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 ウクライナへのロシア軍の侵攻が始まってから2月24日で1年の歳月が流れた。
 国連人権高等弁務官事務所の調べによると、ウクライナでの犠牲者は、少なくとも7199人(1月20日現在)でうち438人が18歳未満。国外への避難者は807万人を超えた。両軍の死者はウクライナは1万~1万3000人(昨年12月、同国政府による)、ロシアは4万~6万人(2月17日、英国防省の推計)にのぼる。 
 軍事侵攻が起きた背景には、2国の複雑な歴史、ロシア正教会の管轄下に置かれたウクライナ正教会の反発やロシア正教会の指導者とプーチン大統領の関係などがあり、もつれた糸を解きほぐすには長い時間がかかる。だが、いま、この瞬間にも市民の命が奪われている。停戦に向け、国際社会が連帯しなければならない。 
 侵攻から1年を機に米バイデン政権はロシアへの追加経済制裁を表明した。それに呼応するように日本政府も追加制裁を決め、ロシア政府の日本での新規証券の発行や流通の禁止、ロシアの一部銀行の資産凍結などを発動した。
 だが、経済制裁は果たして有効なのか。インターネットで世界がつながる現代。経済界も国家の枠を超えて関係を築いている。あらゆるチャンネルを使ってロシアに停戦を働きかけなければいけないときに経済制裁を強化することは、一つのアプローチの道を断つことになりはしないか。
 2月23日の国連総会(193カ国)の緊急特別会合では、ロシア軍の即時撤退、ウクライナでの平和達成などを求める決議案が賛成多数(141カ国)で採択された。一方、反対はロシアやシリア、ベラルーシなど7カ国。中国やインド、南アフリカなど32カ国が棄権した。南半球を中心とする新興国、途上国の「グローバルサウス」には、ロシアの孤立を図る欧米と距離を置く国がある。そしてロシアはこれらの国々と経済的な関係を強めることで、米国やEU諸国からの経済制裁をしのいでいる。
 この間、世界各地で戦争反対の声が上がり、日本では、若い世代も行動を起こしている。その一つ、核廃絶を訴える高校生たちによる各地の「高校生平和ゼミナール」は、ウクライナ侵攻に反対する署名呼びかけやデモなどで「NO WAR」をアピール。同ゼミナールの活動を追った映画の完成記念の集会が23日に東京で開催=写真=され、この場で東京、広島、沖縄の同ゼミナールが改めて抗議声明を発表した。声明文には「プーチン大統領、対話のテーブルについてください」「私たちは『戦争反対』の声をあげ続けます」などとつづられる。
 戦争や民族紛争は21世紀に入っても続き、ミャンマーなど国家弾圧に苦しむ人々がいる。政府は外交で、私たち市民は、小さなことでもいい、何か一つ平和をつくるための行動を心がけていきたい。
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