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2023/03/08
忘れはしない 高市早苗総務相発言
きっかけは・・安倍発言だった
 「ジャーナリズムとは(権力が)報じられたくない事を報じることだ。それ以外のものは広報に過ぎない」と言ったのはジョージ・オーウェル(英国の作家でジャーナリスト)だった。
▼ 日本のジャーナリズムはどうだったか。
第1回全国新聞週間(1948年)の標語
日米共通標語  あらゆる自由は知る権利から
日本の代表標語 あなたは自由を守れ 新聞はあなたを守る

▼ 一時期元気だったメディアだったが、変化し始めたきっかけは第2次安倍内閣からだといっていい。2013年初頭からメディアの社長たちと会食作戦を、1年間にわたって続けた。外国ではこんなことを聞いたことがない。

▼ 2014年11月18日 安倍首相が出演したTBS『サンデーモーニング』で、「インタビューの内容に偏りがある」と批判した。
 同 20日 自民党が在京テレビ局に対して、12月の衆院選にあたって、報道の公平・中立と公正確保を求める「お願い」文書提出
 同 23日 磯崎首相補佐官がツイッターに「日曜日恒例の不公平番組(『サンデーモーニング』)」「政治的に好き放題言うような番組が、放送法上許されるはずがない。だまって見過ごすわけにはいかない」などと投稿

▼ 2016年2月 高市総務大臣「一つの番組でも放送法の“政治的公平”に反する場合には電波停止を命じる可能性」に言及

▼ 2016年2月 総務省 放送法の「政治的公平の解釈」についての政府統一見解を発表。従来の法解釈の変更ではなく、「補充的に説明し、より明確にしたもの」と明記

▼ 2023年3月2日 小西洋之・立民参議院議員が、磯崎氏の働きかけで放送法解釈が変わった経緯を示すと主張する内部文書を公表

 3月3日 松元剛明総務省が、小西氏入手の文書に関して「事実に基づき記述されたものか確認できない」と述べ、総務省作成かどうかの回答を留保
 磯崎氏がツイッターで「補佐官在任中に放送法で定める政治的公平性の解釈について、総務省と意見交換をしたのは事実」と認める
 高市経済安全保障担当相が国会で、小西氏入手の文書に記載された自身のやりとりについては「ねつ造」と断言。事実であれば閣僚、議員を辞職する意向を表明した。
結果は? 放送法「行政文書」認める
 松本剛明総務相は7日、放送法の「政治的公平」の解釈変更をめぐる首相官邸と総務相のやりとりを記述したとされる文書について「すべて総務相の行政文書であることが確認できた」と述べた。
 報道の自由脅かす重大問題 
高市大臣 自身の答弁に責任を持つべきでしょう
 日本共産党の小池書記局長は「安倍政権が森友・加計学園問題や桜を見る会の疑惑隠し、安保法制など違憲立法を強行する一方で、報道機関への介入を行ってきたことが明らかになったとして「安倍政権時代の闇がまた一つ暴かれた。改めて安倍政治の負の遺産を一掃しなければならない」と強調している。そのとおりだ。
 メディアも正念場。ジョージ・オーウェルではないが、権力が報じられたくない事を元気に報じよう!

2023/02/25
世界で「NO WAR」の声を
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 ウクライナへのロシア軍の侵攻が始まってから2月24日で1年の歳月が流れた。
 国連人権高等弁務官事務所の調べによると、ウクライナでの犠牲者は、少なくとも7199人(1月20日現在)でうち438人が18歳未満。国外への避難者は807万人を超えた。両軍の死者はウクライナは1万~1万3000人(昨年12月、同国政府による)、ロシアは4万~6万人(2月17日、英国防省の推計)にのぼる。 
 軍事侵攻が起きた背景には、2国の複雑な歴史、ロシア正教会の管轄下に置かれたウクライナ正教会の反発やロシア正教会の指導者とプーチン大統領の関係などがあり、もつれた糸を解きほぐすには長い時間がかかる。だが、いま、この瞬間にも市民の命が奪われている。停戦に向け、国際社会が連帯しなければならない。 
 侵攻から1年を機に米バイデン政権はロシアへの追加経済制裁を表明した。それに呼応するように日本政府も追加制裁を決め、ロシア政府の日本での新規証券の発行や流通の禁止、ロシアの一部銀行の資産凍結などを発動した。
 だが、経済制裁は果たして有効なのか。インターネットで世界がつながる現代。経済界も国家の枠を超えて関係を築いている。あらゆるチャンネルを使ってロシアに停戦を働きかけなければいけないときに経済制裁を強化することは、一つのアプローチの道を断つことになりはしないか。
 2月23日の国連総会(193カ国)の緊急特別会合では、ロシア軍の即時撤退、ウクライナでの平和達成などを求める決議案が賛成多数(141カ国)で採択された。一方、反対はロシアやシリア、ベラルーシなど7カ国。中国やインド、南アフリカなど32カ国が棄権した。南半球を中心とする新興国、途上国の「グローバルサウス」には、ロシアの孤立を図る欧米と距離を置く国がある。そしてロシアはこれらの国々と経済的な関係を強めることで、米国やEU諸国からの経済制裁をしのいでいる。
 この間、世界各地で戦争反対の声が上がり、日本では、若い世代も行動を起こしている。その一つ、核廃絶を訴える高校生たちによる各地の「高校生平和ゼミナール」は、ウクライナ侵攻に反対する署名呼びかけやデモなどで「NO WAR」をアピール。同ゼミナールの活動を追った映画の完成記念の集会が23日に東京で開催=写真=され、この場で東京、広島、沖縄の同ゼミナールが改めて抗議声明を発表した。声明文には「プーチン大統領、対話のテーブルについてください」「私たちは『戦争反対』の声をあげ続けます」などとつづられる。
 戦争や民族紛争は21世紀に入っても続き、ミャンマーなど国家弾圧に苦しむ人々がいる。政府は外交で、私たち市民は、小さなことでもいい、何か一つ平和をつくるための行動を心がけていきたい。
2023/02/15
思うようにはさせないぞ 岸田改憲戦略
 「憲法を守れ」の運動は改憲勢力とのせめぎあいだ。そのリーダーである岸田首相は国会でも場面によってその表現を調整している。

 1月の今国会施政方針演説はどうだったか。改憲発議部分は「国会」であることを意識してか以下のようになっている。「先送りできない課題。先の臨時国会では、与野党の枠を超え、活発な議論をいただいた」「この国会で、制定以来初めてとなる憲法改正に向け、より一層議論を深めていただくことを心より期待」。「制定以来初めてとなる」という部分に彼なりの高揚を感じる。
 この高揚感は、それをけしかけ督励する相手があるといっそう鳴りを高める。1月31日の衆院予算委員会の維新の会幹事長とのやりとりがそうだった。維新のあおりに対して、首相は改憲発議について「国会での議論でスケジュール観も共有しながら前に進めてもらう」と表明した。お決まりの「自民総裁選で『(24年秋の)任期中に改憲を実現したい』という考えにいささかも変わりはない」もしっかり言った。

 いま岸田内閣は世論調査をみても不支持の方が高く、ある調査では支持率20%以下の「危険水域」に近づいているものもあり、ボロボロに近い。それだけに「任期中改憲」のため、もう一度総選挙で勝って24年を迎えたいと思ってることは確かだろう。首相のいう「スケジュール観」にこうした解散戦略がふくまれているとみていい。

 世上では「世界首脳が集まる広島サミットを成功させて解散・総選挙」と言われてはいる。岸田首相も「解散は首相の専権事項」と何度か強調した。ただ雑誌『選択』2月号は「度重なる解散への言及は逆に解散できないときのリスクを高める」と指摘する。見出しには「虚勢」とある。現に1月中旬、小泉元首相、二階元幹事長らが会食し、「現状では解散・総選挙は困難」で一致した。「解散はさせない」包囲網サインである。月刊「文藝春秋」3月号は「逆ギレで4月の統一地方選と同時選挙もありうる」というが、さすがにこれはリアリズムに欠ける。

 ここで思い出されるのは2021年菅内閣の最後だ。21年秋、彼は「総裁任期と解散時期」のパズル(総裁選で無投票再選後に解散)を解き損ね、「コロナに専念」と妙な理由をつけて退陣した。国民が菅首相の戦略(そして器も)を見破ったといえる。
 岸田政権が「解散」というならそれもよし。菅氏のように「解散できないままの退陣」に追い込むもよし(「敵基地攻撃能力」の正面突破をめざし、「報復で日本は焦土に」もあるとする内閣はやめてもらおう)。その時点でまた総裁選ということになる。各候補が「3年の任期中に」というかはともかく、改憲戦略は狂う。改憲勢力を追い詰めるのはこうした息の長いとりくみでもある。

※「メディアの視点」でひとこと=1月31日の衆院予算委員会で、「敵基地攻撃能力保有」一本に絞って憲法と日本国土の破壊の危険を追及した共産党・志位委員長の質問。「朝日」10数行、毎日、東京黙殺。いや何といえばいいのか。
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